今回はダイアナ妃の生涯(人生)⑭として、恋多き女性といわれるダイアナ妃の恋人達(不倫相手)や恋愛遍歴についてこちらのブログでご紹介してみたいと思います。
ヨーロッパの王室や貴族社会を描いた映画や漫画の中で、よくあるストーリーと言えば「身分違いの恋」ですよね。
貴族令嬢と平民の青年が、泣く泣く別れさせられるように、長い歴史の中、欧州の貴族社会は「縁組」によって形成されて来ました。
そして、お互いの身分と特権を維持するため、たとえ夫婦仲が冷え切っていたとしても、おいそれと離婚に踏み切る訳にもいきません。
そこで、上流社会では「不倫」が暗黙の了解となり、その生活様式は、現在に至るまで脈々と受け継がれて来ました。
チャールズとの破綻が濃厚になり始めた1980年代半ばから、ダイアナも次第に、他の男性に愛と安らぎを求めるようになって行きます。
この記事の目次
◆ダイアナ妃の恋人(不倫相手)①:暗殺説も飛び交う警護官バリー・マナキー
ダイアナの不倫相手として初めて登場した人物は、ダイアナ担当の王室警護官だったバリー・マナキーです。
ダイアナとマナキーが親密になったのは、1985年から1986年、ダイアナが24歳から25歳にかけての事でした。
マナキーは当時39歳、彼も2人の子を持つ既婚者で、ずんぐり体型に薄毛・・・
「愛人」というイメージとは程遠いタイプです。
ダイアナとバリー・マナキー
しかし、警護官として常にダイアナの側に寄り添い、温和で頼り甲斐のあるマナキーに、ダイアナは次第に警護以上の役割を任せるようになっていきます。
雑誌に掲載されるダイアナの写真を一緒に選び、ドレスアップした時には「これで大丈夫かしら」と意見を求め、悩みや秘密をも素直に打ち明ける関係になっていきました。
マナキーの方も、ダイアナはマナキーの前では、まるで小さな女の子のようで、いつも彼に褒めて欲しかったと後に語られているように、常にダイアナを賞賛し、ダイアナが落ち込んでいれば優しく抱きしめて慰めます。
ダイアナを警護するバリー・マナキー
ウィリアム王子と
マナキーは品の良い人物でしたが身分が低く、それが上流階級の人たちの嫉妬も買うことになり、二人の関係はたちまち宮廷内の噂の的になりました。
ダイアナは、マナキーとの愛人関係は否定していましたが、このことを問題視したチャールズの護衛官がチャールズに報告したことにより、即刻、マナキーは他部所へと異動されることになります。
そして、それからわずか翌年の1987年、マナキーは、乗っていたバイクと自動車の衝突事故によって突然に還らぬ人となったのです。
ダイアナは、このマナキーの事故をイギリス諜報機関による暗殺ではないかと疑います。
ダイアナと親しくしていたマナキーは、あまりにもイギリス王室の内情を知り過ぎていたからです。
もし、マナキーがあくまでも「使用人」としての職務に忠実なゆえにダイアナと親しくしていたのならば、この暗殺説が事実でしたらあまりにも気の毒ですよね・・・。
しかし、その真相は誰も知る由がありません。
◆ダイアナ妃の恋人(不倫相手)②:ゲスの極み?ジェームス・ヒューイット少佐
ダイアナの二番目の不倫相手ジェームス・ヒューイット少佐は、マナキーを失ったダイアナのぽっかりと空いた心の隙間に入り込んで来た人物です。
マナキーが彼女に寄り添うことができなくなってから、またも孤独を感じるようになったダイアナ、そんな彼女が、強い男性の肩を切に求めていることに彼はすぐに気付きました。
ダイアナとジェームス・ヒューイット少佐が初めて出会ったのは1986年、騎兵隊将校だった少佐が、ウィンザーのコンバーメア・バラックスに配属された時でした。
乗馬の名手だったヒューイット少佐は、ダイアナと二人の王子たちの乗馬のコーチに選ばれます。
ジェームス・ヒューイット少佐
当時、28歳だった少佐は上流階級の出身で、乗馬とポロの名手のスポーツマン、長身で体格も良く、甘いマスクで笑顔も爽やか。
性格も活発で明るく、いつもジョークでダイアナと王子たちを笑わせます。
そして、少女時代に落馬して以来、怖くて避けていた乗馬へのコンプレックスを克服させてくれた少佐に、ダイアナは急速に惹かれて行くのです。
明らかに女慣れしていた少佐にとって、ほとんどチャールズしか男を知らない様なダイアナを落とす事はいとも簡単な事でした。
少佐の巧みなスキンシップにあっさりと誘惑されたダイアナは、少佐の肉体的な魅力の虜になってしまったのです。
そしてそれ以降、ダイアナは暴走し始めます。
高級店で高価なタイピンや腕時計を買い与え、高級百貨店のカードまで作り少佐が自由に買い物が出来るようにする始末。
まさに、ヒューイット少佐の思うツボになったのです。
1991年、少佐が湾岸戦争へ派兵された時には、ダイアナはテレビに張り付いてその身を案じ、熱烈なラブレターも送りました。
しかし、実は二股をかけていたヒューイット少佐、そのもう一人の恋人、エマ・スチュワードソンが「ニュース・オブ・ザ・ワールド」に三人の関係を暴露した事でダイアナは目が覚めます。
そして、一旦冷静になって考えてみれば、少佐はベッド以外ではまともな会話すらできない、あまりにもつまらない男だったという事にようやく気が付いたのです。
湾岸戦争から帰還した少佐にダイアナが別れを切り出すと、1994年、少佐はアンナ・パステルナークによる暴露本「恋するプリンセス」への情報提供の見返りとして大金を荒稼ぎ。
そして、湾岸戦争中のダイアナからのラブレターをネタに、ダイアナを利用しようと電話をかけ続けます。
1995年、二人の関係はようやく終わりを迎えましたが、この時、ダイアナを最も苦しませたのは、次男のハリー王子の父親がヒューイット少佐ではないかという噂でした。
チャールズもダイアナも赤毛ではないため、ハリー王子の髪の色とそばかすのある顔が疑わしいという仮説が立てられたにです。
この件について何度も意見を翻したヒューイット少佐。
とことん迷惑な男です。
◆ダイアナ妃の恋人(不倫相手)③:まさにダメンズ!オリバー・ホア
ヒューイット少佐の件で散々懲りたにも関わらず、ダイアナが次に選んだ恋人もまたもやダメ男なのでした・・・。
その男の名はオリバー・ホア。
ホアはもともとチャールズの友人で、1985年、ウィンザー城で開かれたパーティーで、ダイアナはホアと初めて出会います。
そのため、チャールズとダイアナ、そしてホアの3人が写った写真なども残されています。
ダイアナより16歳年上の裕福な古美術商だったオリバー・ホアは、イートン校出身でイスラム美術に詳しい、ハンサムなインテリ男性でした。
そして、ヒューイット少佐と破局を迎えた1991年頃から、二人は頻繁に会うようになります。
脳みそまで筋肉で出来ていたような少佐とは違い、知的かつ柔らかな物腰と、いかにもアート関係者的なスタイリッシュな雰囲気。
また、何かと金のかかる男だった少佐とは逆に、アンティークのアクセサリーやペルシャ絨毯という洗練された品々をプレゼントに贈ってくれるホアに、ダイアナはすぐに夢中になります。
しかし、ホアはやはり既婚者。
そして、ダイアナにこう言ったのです。
「妻とは別れる」
このダメ不倫男の常套句を、あっさりと信じてしまうダイアナもダイアナですが・・・
二人はいわゆる「ダブル不倫」の関係でした。
英大衆紙「サン」のエイミー・ジョーンズ記者によりますと、ダイアナはダイヤモンドのイヤリングをつけ、ハイヒールに毛皮のコート姿で、ケンジントン宮殿からこっそりと出て行く姿を目撃され、これが後にホアに会いに行っていたことがわかったといいます。
ホアの妻、ホア夫人は、フランスの石油会社の相続人で大富豪。
ホアの経済的基盤は実はこの奥さんが握っていたのですから、そもそも彼に妻と別れる気など毛頭なかったのです。
別れる別れると言いながら、全く別れる気配のないホアの態度に、次第に疑いを持ち始めたダイアナは、なんとかホアを独占しようと会うたびに離婚を迫ります。
一方、奥さんからもダイアナとの不倫がばれて責められていたホアは、1993年、ついにいたたまれなくなって家を出てみるものの、当然、財布の紐は奥さんが握っているため、二ヶ月後には家へ舞い戻って元サヤに・・・。
ダイアナとホア夫人が一緒に収められたレアな一枚。後方の笑顔ですがほとんど顔が見えない女性がホア夫人と言われています。
このことで、事実上ダイアナとホアの関係は終わりを迎えますが、それに納得が行かなかったダイアナはなんと・・・
ホア家に迷惑電話をかけ始めたのです。
「ホアの声を聞きたい」と、一日に何十回もホアの自宅に電話をかけるダイアナ。
妻が出ると無言で電話を切り、その電話の回数は300回にのぼるとも報じられています。
昼夜を問わずかかってくる迷惑電話に困り果てたホア夫人は警察に通報。
そして、判明した発信元はなんと・・・ケンジントン宮殿。
また、自ら車のハンドルを握り、ホア家の前で駐車をして待ち伏せたり、車の中からじっと損失の窓の明かりが消えるまで見つめていたという事もあったダイアナ。
その様子はがパパラッチに撮影され、タブロイド紙を飾ることになりました。
びっくりするほど重いです・・・
そう、数々の恋愛から垣間見えますが、実はダイアナ妃は意外にもストーカー気質だった様です。
ダイアナはかなり後になってからインタビューでこのことについて、6〜9カ月の間に何度か電話したことはあっても、かけ続けたことはないと語っていますが、電話をしたことは認めています。
ダイアナの身辺警護をしていたケン・ウォーフェによると、
「彼女は常に彼を必要としていた。性的な喜びを初めて教えてくれたのは彼だと、私に打ち明けた。その後に明らかになったさまざまな醜聞も、それで説明がつく。」
そして、精神的に辛かった時期にホアに支えられ、ホアの洗練された魅力的な物腰に引かれたと、ダイアナ自身がウォーフェに語ったといいます。
また、ダイアナは友人のレディ・バウカーにも、「ハンサムなホアとイタリアで暮らせたらどんなに素敵だろう」と話していました。
ホアとのそんなW不倫の代償として、ダイアナは世間から「男好きの女性」というレッテルを貼られてしまう事になったのです。
◆ダイアナ妃の恋人(不倫相手)④:噂レベルの恋人達
ダイアナと噂になった男性は他にも数知れません。
まずはスペイン王ホアン・カルロス1世。
ホアン・カルロス1世とダイアナの珍しいツーショット写真です。
1986年の夏に、ダイアナとチャールズはスペイン王の豪華ヨットで休暇を過ごすなど、家族ぐるみのおつきあいをしていますが、なにせこのスペイン王は、1500人の女性とベッドを共にしたと言われる色男ホアン・カルロスです。
お若いころはまるで俳優のように美しいです。
ダイアナも彼の愛人の一人だと噂されていましたが、真相はどうだったのでしょうか?
次に銀行家のフィリップ・ダン。
名門貴族でやり手の銀行マン、しかもハンサムでモテモテだったダンとダイアナは、1987年頃出会いました。
二人はすぐに親しくなり、ダイアナが護衛なしでダンの家を訪れた事で噂が広がります。
その後、ダイアナのお供は常にダン。
公の場でも堂々といちゃつきながらダンスまでするようになった2人の仲は、当然、マスコミにも察知されます。
これを問題視した王室関係者がダンにダイアナとの交際を止めるよう忠告し、2人の関係は終わりを迎えます。
さらに、ラグビー選手のウィル・カーリングは、ホアの後にダイアナと噂になりました。
ウェイトプログラムのトレーナーとして、ダイアナを理想の体型に仕上げたカーリングをダイアナは信頼し、息子たちも交えて親しくなっていきます。
またしてもお互い既婚者だった二人の仲はすぐに噂になりますが、今回はさすがのダイアナも深入りはしませんでした。
しかし、その後、離婚に至ったカーリング夫妻。
カーリングの妻は離婚の原因をダイアナのせいします。
そして世間はカーリング夫人の味方をし、ダイアナはまたしても「家庭を崩壊させる女性」と批判される結果となりました。
このスキャンダルの数年後再婚したカーリング。彼の妻はタイプがダイアナと非常に似ていますよね。
そして、ダイアナの評判をさらに落とすことになった事件が、1992年、ジェームス・ギルビーとの電話での会話が暴露された「スクウィジー・ゲイト」です。
ワイン商の御曹司でダイアナの独身時代からの友人だったギルビーは、ダイアナの結婚後も相談相手として親しくしていました。
そのギルビーと1989年に交わされた電話の内容が、タブロイド紙「サン」に掲載されたのです。
その「スクウィジー(愛しい人)、キスをして」などのセクシャルな内容はスキャンダルとなり、二人の関係は終わりを告げます。
ですが、ダイアナがこの事件で最も恐れた事は、一体誰が電話を盗聴し、そして誰がテープをサンに売り渡したのか、という事でした。
イギリスのマスコミって、今でも本当に怖いですよね。
ジェームズ・ギルビーは、おそらくダイアナの恋愛遍歴の中で、彼女に対して本当の感情を持った数少ない男性の一人だったといわれています。
当時のチャールズとの離婚を望まなかったダイアナの主導で二人は破局しましたが、ジェームズは人生のほとんどを独身で過ごしました。
ですが、2014年に離婚し5人の子供を持つ母である女性と結婚したといわれています。
◆まとめ ダイアナの過ち
1980年代後半から、母として、慈善活動家として、素晴らしい人格者に成長をとげたダイアナ。
ですが、こと「恋愛」となると、一体なぜ?
かくも愚かな女になってしまったのでしょうか。
その理由は、やはり、若くして結婚し、チャールズ皇太子としかまともに付き合った事がなかったという、ダイアナの恋愛経験の乏しさに尽きると思います。
ダイアナは、いつまでも男性に幻想を抱いていたのでしょう。
自分が100%愛したなら、相手も100%愛してくれるはずだと。
ダイアナは、男は最愛の女性と結婚しても、美女とすれ違えばチラ見せずにはいられない生き物だと言う事を、おそらく当時わかっていなかったのかと思います。
そして、経験の乏しさは感情のコントロールも不能にしました。
相手の心が離れて行きそうになると、ダイアナはいわゆる「重い女」になり、男をますます遠ざけてしまったのです。
結婚しているにも関わらす数々の恋愛遍歴で世間からの不評を買ったダイアナですが、意外にも彼女の人気が衰える事はありませんでした。
夫チャールズとカミラの不倫に苦しみ続けたダイアナは、自らも常にロマンスの相手を求め続けました。
ですが、この自由奔放な恋愛歴も、冒頭で述べましたように、王室やダイアナ妃の出身である貴族社会では全く驚く話ではなかったのです。
エリザベス女王の夫、エディンバラ公フィリップ殿下も、女性の影は山ほどありましたが、女王は全く動じませんでした。
ですので、チャールズ皇太子も、本気でカミラとダイアナと3人でうまくやっていけると思っていたはずであり、そしてダイアナ自身も数々のロマンスについて、そこまでの罪悪感はなかったといわれています。
ダイアナの情事を暴露する写真や録音テープがどれだけ出ても、彼女の人気は今でも衰えることはありません。
ダイアナ妃は、完璧なプリンセスではありませんでした。
そして、悲しいことに、大抵の恋人にとってダイアナは『極上の戦利品』としか見られていませんでした。
夫と恋人にすら裏切られ、二人の王子を愛しながらも悩み、恋をし、悩み、過ちを犯すダイアナは、人間らしく、多くの人々が共感を覚えるプリンセスだったからです。
ダイアナ妃の生涯⑮へ続きます。
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